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今こそ『モスラ』を観よう!!
Posted on 2017.01.04(Category:奥田大器は語りたい)
新春特別企画!!
純朴モスラ陶芸家の
奥田大器です。
やっぱり冬休みは怪獣で。
このたまにやる怪獣ネタなんですが
あからさまにアクセス数減ります。
FBのいいねも減ります。
そりゃそうだ、陶器屋が特撮の話を
書いてても誰が見るねんちゅう話です。
でも好きだから書く。もう陶芸家なんて関係ない。
というわけで『モスラ』です。
1961年、昭和36年の公開です。
モスラ単体の映画として公開されています。
決してゴジラの対戦相手というわけではありません。
それは1964年に
『モスラ対ゴジラ』として公開されています。
ここら辺知らない人が意外と多い。
ゴジラから始まった東宝特撮映画は
余りの大ヒット故、ゴジラシリーズでは無く
怪獣や科学をテーマにした‟東宝特撮映画"
というジャンルを生み出しました。
『空の大怪獣ラドン』やこの『モスラ』です。
それからゴジラとの怪獣対決路線が始まります。
この61年公開の『モスラ』、
全世界公開というスケールで製作されます。
ラストは東京だけでなく
ニューヨークを模した‟ニューカーク"なる都市も
豪快に破壊します。
相手は世界です。
61年、日本映画界黄金期の勢いを感じます。
60年代に作られた怪獣特撮映画は
本当にふんだんに
ヒトモノカネが投入されています。
大衆娯楽のど真ん中だった時代を感じます。
東京タワーに繭を張るのはこの映画です。
世界で一番有名な怪獣映画シーンだと思います。
みんな絶対見た事あるシーン。
『モスラ対ゴジラ』では無いです。
東京タワーシーンがあるのは『モスラ』の方です。
このモスラなんですが、
皆さんが絶対知っているとある映画に
非常に似ているんです。
パクったとかそういうわけではありません。
この『モスラ』のテーマを発展させて
さらに面白い凄い映画になっています。
一つ一つそのセンテンスを見ていきましょう。
まずこのモスラ、
言わずもがな蛾の怪獣です。
蛾の蚕、昆虫がモチーフです。
蚕の巨大な怪獣です。
そしてこのモスラ自体に意思はありません。
人類と神とのメッセンジャーとして登場する
インファント島の‟小美人"という
妖精をただ単に求め彷徨う存在です。
さらにモスラの故郷であるインファント島は
核実験場にされていて放射能禍によって
生物は何も生存出来ない
‟死の島"になっている設定です。
しかしそのインファント島の奥地は
何者(神であるモスラ)かの力に守られ
豊かな土地が広がっています。
そこの中心にモスラ(その卵)と小美人がいて
その回りにインファント島の原住民がいます。
このインファント島に核実験を行っている
‟ロリシカ"(ロシアとアメリカのアナグラム)
という国の調査団が訪れる事から物語が始まります。
この調査団に参加している
ロリシカ人のネルソンという奴が小美人を連れて帰ります。
興行で大儲けを企むわけです。
その小美人を求めてインファント島の守り神である
モスラが卵から生まれて興行をやっている
東京にやってくる訳です。
モスラはゴジラの様に破壊神として
やって来るのではなくただ小美人を求めて
やって来るだけです。
しかしそれによって文明の象徴である
大都市東京は壊滅します。
何かに似てませんかこのプロット。
『風の谷のナウシカ』です。
巨大な虫オームとモスラ、
神に近い存在としての
ナウシカと小美人、
只それを追うだけの虫の化身に破壊される街。
インファント島の設定は‟腐海"に
繋がっていると思います。
荒廃した大地の奥に清浄の地がある。
絶対、宮崎駿はモスラを封切りで観てる!!
余りにも設定がインスパイアされてる。
これは切通理作さんが全部指摘されています。
是非切通先生の著書を読んで下さい。
モスラとナウシカの共通項について
かなり詳しく研究されています。
モスラが渋谷駅前を襲うシーンがあるんですが
その渋谷周辺のミニチュアセットがあまりにも
精巧に出来ているので、
渋谷駅前の東宝館で『モスラ』観てた人は
観終わって出て来たら頭クラクラしたそうです。
今確か壊された所に俺が居る??
これぞまさに4DX。
こんな体験してみたい。
多分そんな中の一人に若きアニメーターの
宮崎駿がいたと思う。
ロマンやん。日本映画界のロマンやん。
是非皆さん、『風の谷のナウシカ』を思い描いて
御鑑賞下さい。
なんと・・・水口のTUTAYAに何か知らんけど
DVD置いてます。
・次の特撮ネタ、
『恐竜・怪鳥の伝説』はこちら。
・前回の特撮ネタ、
『サンダ対ガイラ』はこちら。