【注】本日は陶器の話、全くありません。申し訳ございません。
どうも、純朴東宝特撮陶芸家の奥田大器です。
昨日、寝る前に『妖星ゴラス』を観ました。
やっぱりすごい映画なので今日はブログに考察を書きます。
この映画は”妖星ゴラス”と言う隕石が
地球に衝突して来るというストーリーです。
しかもゴラスの質量は地球の6000倍もあります。
死にかけの太陽がぶつかってくるみたいな状況です。
それをどうやって解決すると思います?
なんと南極にジェット噴射基地を作って
地球を動かして回避しようとする映画です。
どうですこのアイデア、
本気でこんなSF映画を
日本が作っていた時代があるんです。
この話を聴いてトンデモ映画だと思うでしょう?
B級映画だと思うでしょう?
しかし出演者は、
池辺良、志村喬、上原謙、西村晃・・・、
日本映画史に名を刻む名俳優ばかりです。
そうです、超大作として製作されて
その年の最高観客動員を記録しました。
公開は1962年、昭和37年です。
今から約半世紀前は
日本の資本(東宝)が、
日本の製作陣(本多、円谷組)で、
日本の出演者で、
今のハリウッドが撮る様な映画を
大真面目に製作して配給していたのです。
そしてそれが大ヒットする市場があった訳です。
今、日本の映像クリエイターが
地球に隕石がぶつかる映画を撮らせてくれと言ったら
寝言は寝てほざけと言われるでしょう。
そんなすごい映画なんですが
この『妖星ゴラス』は、
90年代半ばまでバカ映画として扱われていました。
「地球はとろ火で動くんかい」
みたいな感じでネタにされていました。
最近、庵野秀明や樋口真嗣のお陰で
再評価されて来ました。
僕は中学生の時、
レンタルビデオ屋で借りて観て
一気に虜になりました。
めちゃくちゃ面白い。
映画と言うのは製作者がその世界観を
信じきって作れば、
ここまでリアルな異世界を構築出来るのだと思いました。
“地球を動かす”という事こそ映画的発想です。
そこをネタにされていたのですから辛い。
全く破綻が無く映画の中で
リアリティーを持って事態が進行していきます。
それが東宝特撮映画の堪らんところです。
映画の醍醐味です。
観たくないですか?
地球の南極にロケットエンジン着けて
地球を動かそうとする映画。
どうやったら話が進んでいくのか興味無いっすか?
因みにこの1960年代前半位まで、
特撮映画というのは子供も勿論ターゲットですが
基本的には全年齢対象の
スーパーエンターテイメントでした。
特撮物=子供が観る物、という
イメージが着くのは60年代後半からです。
(ガメラが出だした辺りか)
1962年の時点では
この様な映画はまだ大人も子供も
皆が鑑賞する映像エンターテイメントでした。
決して「子供モノ」では無かったのです。
だから池辺良や志村喬が出てる訳です。
こういう映画だと
ミニチュアがちゃっちい、
オモチャみたいなんが出てくるんやろ、
とよく言われます。
特撮映画にそのイメージが着くのは
70年代の第二次怪獣ブーム以降です。
その時代になると人気に乗じて
粗品乱造みたいな状態になったのは確かです。
でも60年代前半までの特撮映画を見て下さい。
ちゃっちいと言う奴連れて来い!!
CG、デジタル処理が一切無かった時代に
アナログ技術だけで”あの映像”を作っています。
観ないで死んだら損でっせ。
当時(60年代半ば)の円谷英二率いる
円谷組(後の円谷プロダクション)は
世界最高峰の映像クリエイト集団です。
今で言うピクサーみたいなんをやっていたのです。
ハリウッドにもこんな映像を作れる奴らはいませんでした。
だから海外に高い金で売れたのです。
アメリカの子供たちは土曜日の昼からは
学校返って家で円谷英二が作った
『ゴジラ』や『ラドン』等をテレビで観たわけです。
そんな中にルーカスやスピルバーグやティム・バートンがいた訳です。
すごい話やおまへんか。
話を『妖星ゴラス』に戻します。
ミニチュア特撮の最高峰だと思っています。
そして本編も素晴らしい。
SFでここまで胸を熱くしてくれる、
しかもスケールもでかい。
今の邦画界の状況だともう作れないでしょう。
しかしこの『妖星ゴラス』、
DVD、BDの購入は簡単に出来ます。
でもレンタルはもう殆んどしていません。
水口のTUTAYAには12年前までは有りました。
VHSのみでしたが・・・。
滋賀の南部のどこのレンタルビデオ屋にもありません。
俺は探して回った事がある!!
中学の時はどこでもあったんですがね~。
寂しい限りです。
もし皆さん、観る機会があれば必見です。
またこんなブログを書く事があれば
次は『ゴジラ 84年版』について書きたいと思います。
(明日からは真面目に信楽焼の事書きます。)
それではさいなら。
次回の特撮ネタ、
『ゴジラ (84年版)』はこちら。
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