再生可能エネルギーについて陶芸屋も考えねならない時期に来ていると思います。再エネ大好き陶芸家の奥田大器です。
今後の焼物産業、伝統地場産業を考える上で避けては通れない問題だと思います。
信楽焼に限らず焼物産業は薪窯から始まり科学や技術の発展に従い重油窯、電気窯、そして今最もオーソドックスなガス窯へと燃料を変化させて進んできました。
今はまだ焼物というジャンルに関して”自然”や”エコ”といったイメージが付いてると思います。しかし焼物というのは読んで字のごとく何かを焼いて物を作っています。これからの温暖化環境問題の中で転換を迫られる可能性は有ると思います。(焼物産業が出す温室効果ガス量は主工業産業に比べたら微々たる物だと思います。しかし今の風潮ではそれでも許して貰えないかなと)
再生可能エネルギー、太陽光発電や風量発電のエネルギーのみで製造した焼物。これが信楽焼のセールスポイントになる可能性があるのではないか。ひょっとしたらブランドイメージまで構築出来るのではないかと考えています。温室効果ガス0、又は可能な限り低排出で製造したというのが需要のポイントになる時代が来るかも知れない。
各個人や各産地企業が明日にでも方針転換するという事は困難です。しかし地元行政を中心に真っ先に手を付けておいて損は無いと思うのです。SDGsに関わる事ですから県や国も巻き込めるかも。信楽焼から新しい陶器製造販売の可能性として全国の陶産地に広まるかも知れない。伝統的地場産業が持続可能で反温暖化で経済的にも潤う一つの道筋を提示出来るかも知れません。
20年位経ったら案外それが普通の事になっているかも知れません。セールスポイントも何もそんな事は当然で温暖化効果の高い燃料は極力使わないという風潮にです。それはそれで良い事だと思います。環境対策に関する税金が今後は掛かる様になると思うのでその方向に焼物を作る燃料も変化して行くと思います。
ガス窯が普及して半世紀程度経つと思うのですがそれが変わる潮目が来ていると感じます。信楽焼というのは科学技術の向上と共に発展して来ました。近現代なんてまさにそれです。それがこの20年、21世紀に入って信楽焼は厳しい時代でした。それを打開する為に色んな事を個人やメーカーや流通企業が試しました。上手く行った事もあればそうでない事もありました。
しかし根本的な陶器製造方法の変化がそれらを根底から打ち破るかも知れません。望む望まざるに関係無しにです。AI、IoT、3Dプリンター、再生可能エネルギー。他にもきっと何か出てくると思います。流通もネット、SNS、NFT、個人の力が何かの拍子で突如大きくなる事も多々あります。想像が出来ない売り方も出現して来ると思います。
現時点で再エネで陶商品を世に流通させるのは厳しいです。具体的な窯業技術としても聞いた事が無い。しかし一番先に手を付けて置く。少しでもいいから可能性を探って動き出して置く。別にそう思うならお前個人が勝手にやっておけよという問題なんですが。せっかくなんでこの陶器業界にとっては逆風だらけの”環境対策問題”をチャンスに出来る様に皆で考えられたらいいなと思いつらつらと書いてしまいました。…何か頑張って行きましょう。
【大器の器Ch】
庭園陶琴の水音